木材の名前
和名:コウキ(紅木)
英語名:Red sanders, Red sandalwood
学名:Pterocarpus santalinus
別名
コウキシタン(紅木紫檀)、レッドサンダー、レッドサンダルウッド
生息地
インド南東部、スリランカの一部地域にのみ分布
科名や属名
マメ科の広葉樹
気乾比重
約1.20~1.26
見た目
心材:暗紅色、暗紫褐色
辺材:肌色
主な使用目的
家具、彫刻品、染料、三味線など
特徴
コウキは現在最も入手困難な銘木の一つとされており、とても珍しい木材です。
新鮮な状態のものはフレッシュな紅色をしていますが、時間が経つにつれ徐々に深みのある色に変わっていきます。
さらに時間をかけると渋いワインレッドのような色から暗めの赤紫色になっていき、使い込むほどに落ち着いた雰囲気になります。
この色の移ろいが「紅木七変化」と呼ばれ、美しい色の変化を楽しむことができます。
また似た色を持つシタンと近い種類とされており、「コウキシタン」と呼ばれることもあります。
そんな美しい紅色を持つコウキは、その昔中世から近世においてヨーロッパの毛織物の染料用に乱獲され、天然材は絶滅寸前まで数が減っていってしまいました。
現在はワシントン条約の規制により厳しい輸入制限がかかっています。そのため長く日本に輸入されておらず、市場に出回っているコウキ製のものは規制前に輸入された材を使ったものになります。
現在は高級家具や彫刻品などのほか、高級三味線などにも使われています。
コウキが使われた芸術品や楽器などは飛び上がるほどの高値がついていることもあり、希少価値が高い銘木中の銘木なのです。
コウキは最も重厚な木の一つであり木の目の密度が高く、その重さは水にも沈むほど。
非常に丈夫な木材であり、三味線ではその硬さが線の細い上品な音色を奏でるといいます。
削った木片を水に浸すとサンタリンという色素を生じ、その色素が染料となります。
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「幻の木」と称されるほど珍重されるコウキの最大の魅力は、いわずとも知れたその美しい天然の紅色です。
人工では再現できないような複雑で奥深い色は、実際に目にすると思わず見惚れてしまうようなもの。
人々はその自然の恩恵に魅了された結果、乱用してしまったために数が減り、現在では簡単に目にすることができない大変貴重な存在となりました。
希少価値が高い銘木とされる木の背景には、人類が作った乱獲の歴史があり、コウキはまさにその大きな一例となっています。
価値が高いとされる理由や背景を知ることで、今ある銘木の素晴らしさや美しさをより感じることができます。
ぜひ銘木への理解を深め、有限であるその自然の美しさに直接触れてみてくださいね。