木材の名前
和名:クロガキ(黒柿)
英語名:Japanese persimmon
学名:Diospyros kaki Thunb.
別名
カキノキ、パーシモン
生息地
日本(北海道を除く)、中国
科名や属名
カキノキ科カキノキ属の落葉広葉樹
気乾比重
約0.60~0.85
見た目
心材:暗褐色に黒色の縞模様
辺材:白、灰色
主な使用目的
和家具、床柱、茶道具、工芸品など
特徴
クロガキは高級木材の中でも特に希少な木材であり、日本で最高峰の銘木とされています。
それ自体が樹種なのではなく、カキの木の心材に黒色の縞模様が出ている部分のみクロガキと呼ばれます。
産出がかなり難しいことが希少価値が高くなる理由です。
なんとクロガキが取れる確率はおよそ1万本に1本!
樹齢数百年以上のカキの木にのみ現れるといわれており、そのうえ外から見ただけではわからず、伐採してみないと発見できない模様です。
クロガキはまさに自然の力がもたらす奇跡の木材といえるでしょう。
クロガキの縞模様は墨が流れたような雰囲気があり、その様はまるで水墨画のようだと例えられ、日本人の和の心をつかみます。
その黒い色が深くなるほど高値になり、孔雀の羽のような模様が現れる「孔雀杢」を持つものはさらに価値が上がります。
同じ模様がふたつとなく、宝探しのようにたった一つのものを見つけられるところがクロガキの最大の魅力です。
クロガキの加工で難しいのが、白い部分と黒い模様の部分で乾燥時の収縮率が異なるため、割れが起きてしまう恐れがあること。
乾燥はゆっくりと注意して行わなければいけません。
また硬い木材のため加工には熟練した技術が必要になります。
もともと木肌はなめらかですが、丁寧に磨きあげればさらに光沢感を帯びて美しい表面に仕上がります。
伐採してすぐは若干緑がかった色をしており、時間がたつと徐々に黒がはっきりと出てくるようになります。
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1本1本全てが唯一無二の、奇跡の模様を持つクロガキ。
見るものに不思議な力を感じさせ、人の心を惹きつける国産最高ランクの銘木です。
クロガキを見つけることは非常に難しく、見つけられたとしても切断してみると虫穴が発生していたり、木材として完璧なものを産出し続けることは困難を極めます。
また伐採された後も時間をかけて自然乾燥をしなければいけないため、そこから木材になり製品となるにも長い時間が必要です。
しかし、その天然で生み出される絵画のような模様を目にしたときには、文面では表現しきれないような見事な美しさがあります。
見た者の心を動かすその神秘的な銘木には、人々が長い年月を費やしても探す価値を持つ魅力があるのです。