木材の名前
和名:シタン(紫檀)
英語名:Rose wood
学名:Dalbergia cochinchinensis
別名
ローズウッド、レッドサンダルウッド、ホンシタン(本紫檀)
生息地
カンボジア、ラオス、タイ、マレーシア、ベトナムなどの東南アジア、インドに分布
科名や属名
マメ科ダルベルギア属の広葉樹
気乾比重
約1.04
見た目
心材:赤紫褐色、紫色を帯びた暗褐色に黒紫色の縞模様
辺材:白、灰色
主な使用目的
家具、床柱、指物、仏壇、楽器、箸、靴べら、唐木細工など
特徴
ローズウッドという呼称でも馴染み深い高級木材のシタン。
コクタン、タガヤサンを含む「唐木三大銘木」の一つで、古来中国大陸から日本に伝わってきました。
ワシントン条約で規制を受ける「ローズウッド」の定義は、マメ科ダルベルギア属の木材のうち、削った時の芳香がある木材となります。
シタンもダルベルギア属で芳香を持ちますので、もちろんローズウッドとして扱われます。
チンチャン、ハカランダ、ココボロ、チューリップウッド、キングウッド、アフリカンブラックウッドなどの銘木もローズウッドに含まれます。
シタンは古くから高級材として人気があり、家具や仏壇など高価なものによく使われてきました。
赤や紫色を帯びた暗めの色が美しい縞模様を作り出し、深みのある色合いが上品な高級感を醸し出します。
またシタンで有名なのが、ギターやベースの指板材として人気が高いこと。
音の鳴りや響きが良く楽器の一部として重宝され、実はギタリストやベーシストには馴染み深い材のようです。
その幅広い人気から、シタンと似た色味を持つ木には次々と「○○ローズウッド」という名前がつけられるようになりました。
現在では全てのローズウッドは規制を受け、非常に希少価値が高くなっています。
シタンは非常に硬く釘を入れる加工などはやや難しく、重さもあるため大きいものだと取り扱いも容易ではありません。
乾燥時は割れや狂いが起こる可能性もあるため乾燥はゆっくりと時間をかける必要がありますが、乾燥後は安定し非常に丈夫な木材となります。
表面の肌触りはよく、磨き上げるとより艶のあるきれいな紫色を出すことができます。
加工直後にはツンとする独特な香りがすることがありますが、時間がたつと薄まっていきます。
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シタンはローズウッド、レッドサンダルウッドなどさまざまな呼び方を持ち、今や名前自体にブランド価値を持つ木材です。
一見主張が少ない落ち着いた雰囲気ですが、その中でも木の生命力を感じさせる美しい木目を持ちます。
そんなところが人の心を魅了するのでしょう。
家具としてはさまざまなテイストに合わせやすくもあり、一方で本物の銘木ならではの存在感を醸し出します。
音楽業界でも愛好されるなど幅広く人気のあるシタンですが、現在ではその希少価値の高さから簡単に手に入らなくなっています。
だからこそ一度手にしたら長く付き合っていきたい銘木。
シタンはその魅力を最大限に発揮して私たちを魅了し、そして木としての癒しを与えてくれます。
ぜひシタンの色の美しさや木目の力強さを実際に感じてみてくださいね。