ツゲを知ろう

木材の名前

ツゲ(boxwood)

別名

柘植
小葉黄楊
ホンツゲ

生息地

関東より西の温かい地域や島しょ部に生息

科名や属名

Buxus microphylla var. japonica

気乾比重

約0.72-0.78

見た目

黄色を帯びた白色~褐色で、しばしばクリーム色とも表現されます。

主な使用目的

江戸時代には最高級の櫛材として認識されていました。
将棋の駒、小箱、印鑑、算盤玉などにも使用されますが、いずれも高級品です。

特徴

古くからツゲの黄色を帯びたクリーム色は、
日本人の黒い髪の色と相性が良いと言われてきました。

またツゲは髪の油分を吸う事によって、大きく経年変化で色が深くなっていく特徴があります。

この事から、江戸時代には櫛(くし)や簪(かんざし)、笄(こうがい)など髪の装飾具に多く用いられるようになります。
特にツゲ櫛は現在においても最高級品として扱われます。

江戸時代とは切り込み数が異なりますが、無垢仕上げに耐えうる強さと美しさを併せ持つ木材です。

ツゲの櫛

ツゲは加工する際にネットリとした柔らかさがある事も特徴です。
トゲトゲした切断面にはならず、非常に安定した切り口になります。

この事からも、髪の毛を逆立てるような効果が見られず、髪の装飾具に適している事が伺えます。

また経年変化もツゲは特徴的で、乾性油によるメンテナンスに高い適正を持ちます。

ツゲは経年変化によって飴色と呼ばれる、濃い黄色~黄褐色の非常に美しい色合いに変化する傾向があります。

ただしメンテナンスによっては金色とも表現されるほどに色合いが変化する事もあるでしょう。

髪の油分による自然のメンテナンスを好む方もおられますが、体表から分泌する油は基本的に非乾性油ですので注意が必要です。

乾性油による黄変をあまり気にする必要がない木材ですので、アマニ油を使用したメンテナンスをする方が多いと思います。

銘木アトリエEqで扱うツゲは“御蔵島産ツゲ”となります。
その他の産地のツゲをご所望の際にはご連絡をよろしくお願いします。

またツゲよりも黄色味が強く、質感がツゲに似ている木材としてはペクイアの取り扱いがあります。

古くから日本人に愛されてきた、装飾品材としては最高級材の一つがツゲです。
日本髪を結う人にとってはもちろんの事、日本人の黒髪に合わせやすい色合いも人気の秘訣でしょう。

アクセサリーとしてペンダントトップやポニーフックなどに利用される方もおられます。

木材をメンテナンスによって育てる楽しみの大きな木材です。
もしも愛着を持って育てたいというご希望がある際には、ぜひツゲをご検討ください。