イスノキを知ろう

木材の名前

イスノキ、柞

別名

イボノキ、ユスノキ、ユス、イス、クシノキ、ヒョンノキ

生息地

日本の静岡県より西の本州から、四国、九州、沖縄に生息。

日本以外の生息地域は台湾や中国の南部など。

科名や属名

マンサク科イスノキ属

気乾比重

約0.75~1.02

見た目

木目は直通。心材は鮮やかな赤色や紫色を含んだ褐色。

辺材はクリーム色から茶色で、不規則な濃い色の縞がでることがある。

主な使用目的

家具、器具、フローリング、三味線や琵琶のばち、櫛、木刀、機械、ろくろ細工などに使われる。

特徴

イスノキの利用方法はさまざまですが、特に「スヌケ」は強度に優れていて価値が高い材です。

スヌケとはイスノキの皮を剥ぎ、地面に生育している状態で枯らし、長い間雨風にさらしたものを指します。
スヌケは床の間の脇に立つ化粧柱として利用されるなど、古くから高級品として扱われています。

イスノキは日本の木材です。
そのため日本ならではの製品に加工されることが多くあります。

過去には宮中や大奥に納める櫛の材料としても使用されました。
櫛の歯は折れてしまうと縁起が悪いといわれていたため、硬い木材であるイスノキは高級櫛材とされていたのです。

イスノキはその硬さゆえ、加工が非常に難しいといえます。
クギが打ち込みにくいほどの硬さで、そのぶん耐久性に優れています。
加工が難しい反面、仕上がりは美しくシロアリに対する抵抗力も高い木材です。

イスノキの特徴として、葉にコブができやすいことが挙げられます。
これは「虫えい(ちゅうえい)」といって、アブラムシが内側にたくさん住みついている証拠です。

アブラムシが住みつくと聞くと悪い印象を与えてしまうかもしれませんが、昔の子供はアブラムシが出ていったあとのコブを遊び道具にしていました。

このコブを吹くと「ひょん」という音がなって楽しいのでしょう。
そのためイスノキは、別名「ヒョンノキ」ともいわれます。

また、イスノキの別名には「ユスノキ」というものもあり、漢字の「結寿の木」になぞらえて縁起の良い木といわれるケースもあります。イスノキは、こうして長きにわたり日本人に親しまれてきた木材なのです。

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日本に自生するイスノキは、古くから日本人に親しまれてきました。

日本に生える木の中でも特に硬い木材として多彩な用途があるイスノキは、家具やフローリングはもちろん高級櫛や存在感ある床の間の柱にも利用されています。

習い事の王道だったそろばんの珠や、重厚感ある強度の高い木刀に加工されることがあります。
もしかすると皆さんもイスノキで作られた製品に触れた機会があるかもしれません。

イスノキは加工される以外には、生垣として利用されたり、公園に植えられたりすることもあります。

イスノキの特徴は葉にできるコブです。今まで気にせず通り過ぎていた樹がイスノキである可能性もあります。日本一といえるほど硬く高級でありながら、実は身近な存在でもあるイスノキ。

コブを目印に、イスノキ探しをしてみてはいかがでしょうか。