マホガニーを知ろう

木材の名前

マホガニー(桃花心木、Mahogany)

マホガニー材

別名

初めて発見された地がカリブであったため、「カリブの宝」ともいわれます。

生息地

中米及び南米

科名や属名

センダン科マホガニー属の広葉樹

気乾比重

約0.46~0.80

見た目

木目には杢(もく)と呼ばれる特殊なものがありますが、マホガニーにはリボン杢という杢が現れます。

辺材(外周部分)の色合いは黄色く、心材(中心部分)は薄い桃から濃い赤色まであります。


黄金色という意味を示すマホガニーの名にふさわしく、心材には金色の光沢があります。

主な使用目的

高級家具やオルガンなどの楽器、彫刻や高級車のハンドルなど

特徴

世界の三大銘木の1つともいわれるマホガニーは、世界的に評価が高い木材です。

16世紀に南アメリカで発見され、一気に全世界へと広まっていきました。
しかし人気の高さゆえに絶滅の恐れが出てしまい、乱伐を防止するため現在ではワシントン条約により伐採が規制されています。

伐採が規制されたマホガニーの入手は非常に困難となり、希少価値の高い高価な木材となりました。
そのため現在は、マホガニーに色や木目が似た木材をマホガニー材と呼び使用するケースが多いです。しかし本来、自生しているマホガニーには他の木材にはない魅力が多くあります。

マホガニーの人気の秘密として「美しいリボン杢」が挙げられます。
リボン杢とは、樹の幹に対して木目がらせん状とした木材の中心部を縦に切断すると現れる、縞模様の木目のことです。

マホガニーのリボン杢はほぼ一定間隔の縞模様で、光が当たる方向によって輝きが変化します。木目の印象が光の具合で変化するその様子は、とても美しいとされているのです。

また、磨くほどに光沢が生まれるのもマホガニーの特徴となります。その輝きとリボン杢の美しさは、人々がマホガニーに惹かれる理由のひとつといえるでしょう。
さらに、年月を重ねると淡い木目の色が徐々に深みを増し、濃い赤褐色へと変わっていく点も魅力となります。

マホガニーは耐久性の高い木材です。
加工性も良好でノコギリや電気工具、クギや接着剤の使用も問題ありません。
ただし曲げには弱く、木目の交錯部分は裂けやすいため取り扱いに注意が必要です。

ドミニカ共和国の大寺院には400年以上が経過したマホガニーの彫刻が残っていることからも、耐久性の高さを知ることができます。

銘木アトリエeqでは様々なアクセサリー類を作成しています。

絶滅を危惧されたマホガニーは、現在アジアで計画的な植林が進んでいます。この植林は発展途上国を経済的に支援する目的もあり、マホガニーの人気があるからこそといえるでしょう。

マホガニーは木目の美しさと加工のしやすさで、古くから家具や楽器などに使用され続けてきました。
一番の特徴ともいえるリボン杢は、光の当たり具合でその様子を変化させる特別な美しさがあります。豪華客船やホテルの家具にも利用されるほど、高級感が際立つ木材です。

耐久性があり、年月が経過すると淡い色から深みを増してゆくマホガニーは、アンティーク家具としての魅力も高いといえます。

マホガニーで作られた家具を家具店などで目にしたら、ぜひリボン杢の美しさや雰囲気を味わってみてください。

本稿で扱っているハマビシ科のパロサントも香木として扱われています。
希少価値の高い木材であるパロサントは、その削り粉もまた希少であると考えています。